7.お買い得な猫？！

ダビデとの生活にも慣れたある日、ペットショップに血統書をもらいに行った。「うちの新人の子が間違っちゃってさぁ、3万円で売っちゃったでしょ。あの猫、本当は5万円なんだよね〜。お客さん、すごい得しましたよ！」と店長らしき人に言われた。5万円でも安いんじゃないの？得したのか、得しないのかよくわからぬまま「はぁ〜、そうなんですか？」と言ってその怪しげな店を後にした。
そして数年後のある日、そのペットショップは跡形もなく消えていた。ダビデと出会った店がなくなるというのは寂しい気もするが、もうあの可哀想な柵の中の動物たちを見なくて済むのは私にとってはよかったのかもしれない。