前住んでいた部屋はペット禁止。だからバレないようにずいぶん気を遣った。「にゃっ」と鳴くと「シーッ、鳴いちゃダメ！」と怒ってばかりだったから、そのせいかダビデは鳴くのがヘタだった。鳴き方を知らないようで「ア」とか「アゥ〜」とか、しぼり出すようなか細い声しか出ないのだ。にゃあと猫らしく鳴いたことはほとんどない。おかげで猫を飼ってることはバレずにすんだけれど…。
ダビデが5歳ぐらいの時にペット可の今のマンションに引っ越してからは、少しは猫らしく鳴くようになった。鳴くと嬉しくって「ダビデ鳴いていいんだよ〜。思いっきり鳴こうね！」と飼い主もにゃあにゃあ言っている始末。お返事も覚えさせ、「ダビ！」と呼ぶと「にゃあ！」と答えるまでに。遠くで呼ぶと「にゃ！」と鳴いてゆっさゆっさと巨体を揺さぶって走ってくる。お前はわんちゃんか？！お〜よしよしよしよしと、飼い主はムツゴロウさん状態。（笑）
ペット不可のマンションから引っ越す時は、壁や柱にしっかりと爪研ぎの痕が残っていたので、部屋のあちこちの修繕に苦労した。契約違反がバレたら大変！と、東急ハンズで修繕用の道具をあれこれ買い込み、リフォームさながら傷隠しにパテのようなものを塗り込んだり、破れた壁紙を接着剤でくっつけたり、特に柱の傷がひどかったのでペンキ塗りまでした。なんせ、こっちは素人。パテの色が違うためよけい傷が目立ったり、ペンキを塗っても微妙に元の色と違ったり、ヘンなグラデーションになったりして、何度塗り直したことか。最後にはニスを塗って、今までよりピカピカの柱に。これじゃ、かえって怪しまれるのでは？そんな心配も…。何とかバレずにすんだので今は笑い話だけれど、あの修繕の日々はかなり大変なものだったなぁ。新築だった今のマンションも2年が経ち、もう壁紙はボロボロで見るも無惨。
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